ふと、コーチングのセッションで、こんな話になった。
「手帳が予定で詰まっているのを見ると、息苦しくなるんですよね…」
12:00~ ランチ
18:30~ 映画
20:00~ セッション
手帳を開いて、こう書かれているのを見ると、ああ、息苦しいな、と思う。
『何が息苦しいですか?』
「一人になれる時間が少ないことですね」
「口に出してみて気づきましたが、私にとって、手帳に予定を入れる=誰かと会うなんです。手帳を見て、予定が詰まっていると、一人の時間がないじゃないか、と思い、苦しくなります。1日に30分は一人の時間が欲しいのになあ。なんだか、息継ぎができない感じがします。」
『息継ぎができないといっていましたが、どういうイメージですか?』
「公共プールで、必死に泳いでいる感じですね。文字通り、息継ぎがうまくできなくなっていく感覚です。」
『その感覚は、何を意味しているのでしょうか?』
「そうですね…人と会うのは好きなんですが、一人の時間も同じぐらい私にとって大事なものなんですよね。誰かと会う予定が続くと、拘束時間も増えるわけで、その分一人の時間が減る。それが苦しい、息継ぎがうまくできない、と感じます。」
『息継ぎがうまくできないとは、どういうことでしょうか?』
「こういう自分でいたいのに、いることができない、という感覚です。人にやさしく、常に相手の意見を受け入れる器を持っていたいのに、息継ぎがうまくできていないときは、そうあることができません。それが、苦しいです。」
『その公共プールには、ほかにも人がいそうですか?』
「はい、水面が波打っているので、いそうです。私が見ているイメージは、完全に泳いでいるときの視点なので、実際に人は見えませんが。」
『では、意識して人を見てみましょうか。どんな風に感じますか?』
「ああ、マイペースに歩いてるおばちゃんがいますね。マイペースっていいなあ、と感じます。ちょっと羨ましいかも。」
『マイペースがあなたにとってキーワードのように感じましたが、いかがですか?』
「そうですね、息継ぎがうまくできないとき=自分のペースじゃないときなのかもしれません。そして、泳いでいるはずなのに前に進んでいないときにも、同じく息継ぎがうまくできていないと感じます。」
『そのプールで、したいことはありますか?』
「ちょっと疲れちゃったので、明るい陽射しを浴びながら、ぷかぷか浮きたいですね。力を抜きたいな。」
『それでは、イメージから一歩離れてみましょう。今、なにか感じることはありますか?』
「はい。やっぱり予定を詰めすぎるのはやめようと思いました。あとは、息継ぎがうまくできていなくても泳がないといけない場面もあると思うので、そういうときは、息継ぎがうまくできない自分を自覚しつつ、前に進むことより息を吸うことを意識していきたいなと思いました。」
『最後に、今日をどんな一日にしたいですか?』
「今日は予定が詰まっているので、予定以上のことをこなそうとしないようにしつつ、適度に手を抜いていこうと思います。」
こんな感じの、セッションでした。
息継ぎが下手でもいいんです。それに気付いているなら。
コーチングはいいぞ。
※クライアントは私です。守秘義務はご安心ください。